ヴィジュアル系音楽をこよなく愛す、紳士淑女の皆々様。当ブログの管理人カイでございます。
賢明な皆様ならばご存知のはず。
アリス、聖戦、エデンの園…このジャンルの楽曲歌詞に頻繁に登場するこれらテーマには、引用元となる原話が存在しているということを。
今宵はそんな世界観を愛する貴方にぴったりの書物をご紹介いたしましょう。
ヴィジュアル系を、もっと深く知りたい貴方へ。
聖書・聖典
神や十字架、悪魔崇拝、黒魔術など、ヴィジュアル系とは切っても切れない関係のテーマの書物
■ ドレの旧約聖書
「アダムとイブ」「ノアの方舟」「エデンの園」「バベルの塔」
このあたりのワードにピンときた方、ぜひ読んでみてはいかがです?
「イカロス」や「パンドラの箱」「ナルシス」
この辺りのモチーフは、90年代のバンドの中でも
特にPierrotの楽曲などで耳にしたテーマですね。
■ 幻想文学論序説 (創元ライブラリ)
Raphael時代に非常に盛り上がったテーマですが、今でも天使や悪魔についてのモチーフは比較的よく登場するので、個別に勉強したければ
「幻想文学」「七つの大罪」「天使と悪魔」「天使・悪魔の階級」
などをキーワードに調べてみると良いでしょう。きっと面白い知識が手に入れられますよ。
古典文学
直接的でなくとも、日常のどこかに入り込んでいることの多い引用作品
■ 深読みシェイクスピア (新潮文庫)
思いがけない場面で引用に遭遇する確率が非常に高いシェイクスピア。
一般教養として読んでおいて損はない作品といえますが、好みは人それぞれ。肌に合わないという方は、シェイクスピアの四代悲劇の中でも特に有名な『ハムレット』と『マクベス』に加えて、『ジュリアス・シーザー』あたりを抑えておけば十分でしょう。
それぞれの作品の至高の名言、きっと一度は耳にしたことがあるでしょう…?
『ハムレット』
To be, or not to be: that is the question.
生きるべきか生きざるべきか。それが問題だ。
『マクベス』
Life's but a walking shadow, a poor player.
人生は歩きまわる影法師、哀れな役者だ。
『ジュリアス・シーザー』
Et tu, Brute?
ブルータス、お前もか。
■ 不思議の国のアリス・オリジナル
ヴィジュアル系好きならば避けて通ることの出来ない「アリス」のテーマ。
これを学術的な意味できちんと理解するために、私は是非、下記の書物を推薦しますよ。

- 作者: 宗宮喜代子
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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■ 大人もぞっとする初版『グリム童話』―ずっと隠されてきた残酷、性愛、狂気、戦慄の世界 (王様文庫)
他には、イソップ物語や、こういった古い児童文学からの引用があるケースも見受けられますね。
現代文学
個人の趣味嗜好を含む分野ですが、是非推薦したい書籍たち
■ ドグラ・マグラ(上)<ドグラ・マグラ> (角川文庫) 夢野久作
「読むと精神が崩壊する」と言われている三大奇書のひとつ。個人的な好き嫌いはともかく、ヴィジュアル系であれば一度はトライしてみたい作品。
■ スカイ・クロラ 森博嗣
『すべてがFになる』で有名なミステリー作家の作品。読む者を惹きつけてやまない、淡々としてキレのある美しい言葉選びと、主人公たちが織りなす知的な会話に、きっと貴方も魅了されるはず。
小説が苦手で、世界観だけを先に覗いてみたい方は、下記の作品が入りやすいかもしれませんね。

的を射る言葉 Gathering the Pointed Wits (講談社文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 文庫
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■ 悪魔とプリン嬢 パウロ・コエーリョ
『アルケミスト』『ベロニカは死ぬことにした』
でお馴染みのブラジル人作家。宗教観の交じり合った世界の中での、登場人物の心理描写が非常に面白い作品。
児童文学・絵本
子供には決して見せることの出来ない絵本たち
■ 星の王子さま―オリジナル版 アントワンヌ・サン=テグジュペリ
優しそうなイラストに反して、哲学的な思考が飛び交う児童文学。
■ ちいさなちいさな王様 アクセル・ハッケ
ヴィジュアル系好きが須く好きか…?と問われると、少し迷う部分もあるものの、ドイツ文学のこの坦々とした雰囲気は、きっと楽しんでくださる方が多いはず。
■ 自殺うさぎの本 アンディ・ライリー
うさぎがあらゆる手段で自殺を試みる絵本。ご購入の際は是非、幼児の手には届かぬ場所へ。
■ ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで エドワードゴーリー
絵本にあるまじき「暗さ」と「陰気臭さ」を兼ね備えた作品。一度手にしたらきっと、作品を揃えたくなってしまうことでしょう。
学術書
ヴィジュアル系と親和性の高い学術書
■ フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネッサンスの民衆文化
「嗤い」「怒り」「騒音」「肉欲」
そんなカーニバルモチーフについて、学術的に扱った作品。
フロイトやユング、マーティン・コーエン
あたりの、心理学・哲学分野は、勉強しはじめると止まらない人が多いはず。
さぁ。読みたい本は、見つかりましたか…?
暗い部屋に蠟燭を灯して。朝まで書物を読み耽りましょうか…。